
本日、予告のあった禁止制限告知が発表されました。
今回の対象フォーマットはスタンダードとヒストリックとなります。
加えてルールエラッタとして相棒についての告知もありました。
公式発表はこちら
2020年6月1日 禁止制限告知
発効日
テーブルトップ発効日(ルールおよび禁止制限):2020年6月1日
Magic OnlineおよびMTGアリーナ ルール変更発効日:2020年6月4日
Magic Online 禁止制限発効日:2020年6月1日
MTGアリーナ 禁止制限発効日:2020年6月4日
ルールエラッタ
相棒
各ゲーム中に1度だけ、あなたはソーサリーを唱えられるとき(あなたのメイン・フェイズの間でスタックが空であるとき) に任意色3マナを支払うことでサイドボードからあなたの相棒をあなたの手札に加えることができる。これは特別な処理であり、起動型能力ではない。
という形に変更となります、つまり今までサイドボードから直接キャストできたものが3マナ支払って一度手札に。
その後通常の手札と同様、指定コストを支払って戦場に出せるという形に変わります。
今後生産されるカードの記述が変更されるかどうかにつきましては記述がありませんでしたので不明です。
マジックのルール変更は禁止制限リスト更新の通常の範疇ではありませんが、今回の場合、ゲームバランスとメタゲーム上のシェアが原因で、我々は相棒メカニズムの変更を導入しました。今回の更新で、相棒メカニズム(とそれを持つ全てのカード)はこれまでとは異なる挙動をするようになります。
2020年6月1日 禁止制限告知
と公式でも記載されておりますが、ゲームバランスは著しく偏ったものになったと言わざるを得なかったと思います。
我々は複数のルール変更案を議論しましたが、最終的に反復的ゲームプレイを減少させる可能性とやり取りの余地が最も大きいこの形に落ち着きました。
2020年6月1日 禁止制限告知
容易なループ手段となってしまった相棒とマナコスト踏み倒し手段が今回の原因だと感じていましたが、その辺りの認識はやはりウィザーズ側でも同様だったようです。
解りやすく例えると、
「夢の巣のルールス」で「死の重み」を毎ターン使い回す事が可能になるため、タフネス2以下のクリーチャーは戦場に出す意味すらなくなります。
また、「エルズペス、死に打ち勝つ」で3マナ以上のパーマネントを追放後、「銅纏いののけ者、ルーカ」の-2能力でトークンを生け贄に捧げ、「裏切りの工作員」で相手のパーマネントの1枚目のコントロールを得、「空を放浪するもの、ヨーリオン」を戦場に出し、死に打ち勝つ・工作員・ルーカを追放後、「時を解す者、テフェリー」でヨーリオンを手札に戻し、エンド時に打ち勝つで3マナ以上のパーマネント2枚目を追放、工作員で相手のパーマネント2枚目のコントロールを得るというほぼ対戦相手の盤面崩壊させるような展開も可能だったのです。そして次のターンまたこれと同じ事を繰り返す事もできたのです。
スタンダード
裏切りの工作員 禁止
創案の火 禁止
前の項目でも述べた部分にかかるのですが、マナコスト踏み倒しによるパーマネント奪取を常套手段し、盤面を巻き返す事が極めて難しい状況になるという事からの決定です。
《創案の火》はデザインとバランスにとって重大な制限になるカードであることが判明しました。このカードのコストを踏み倒す効果の柔軟性により、《創案の火》デッキは環境に新しい高コスト呪文が加えられるたびに強くなり続けます。新しいセットが追加されて《創案の火》デッキの勝率が過去のスタンダードのメタゲームと比較して上がっていることが確認されています。
2020年6月1日 禁止制限告知
創案の火はマナコストを踏み倒すばかりでなく、相手ターンに詠唱ができない代わりに自ターンに土地の枚数分のコスト呪文を色に関係なく2回唱えられるという柔軟性がありました。
序盤でこそほぼ動いてこないのですが、中盤以降畳みかけるように高マナコスト呪文を連打してくるのが創案の火デッキ(通称ファイヤーズ)の特徴でした。
今回のイコリアによってそれが致命傷になるほどのゲームバランスを崩すきっかけとなったのは間違いありません。
どんな土地やキーカードも盗めるこの能力は、多く使われた場合メタゲームの多様性を減少させます。特定のパーマネントや大きなクリーチャーを軸としたデッキは、対戦相手が特別なデッキ構築の意図がなくてもそれらを盗むことができた場合成功を収める機会は少なくなります。
2020年6月1日 禁止制限告知
裏切りの工作員は、登場当初は7マナ青ダブルシンボルと戦場に出すことが難しく、カウンターされる可能性も孕んでおり出たらワンチャンクリーチャーでした。
そのコスト故に採用率も低く、ファンデッキの一部としては存在していました。
それを容易にしたのが創案の火であり、このイコリアでルーカとウィノータというカウンターすら許されないライブラリから戦場にマナコスト踏み倒して出るという手段から横行、席巻したのは言うまでもありません。
ヒストリック
裏切りの工作員 一時停止
創案の火 一時停止
スタンダードと同じ理由により、我々は《創案の火》と《裏切りの工作員》をヒストリックで一時停止することを選択しました。我々はヒストリックの成長とメタゲームの進化を監視し続け、将来これらの一時停止の解除と禁止のどちらが適切か再評価します。
2020年6月1日 禁止制限告知
こちらもスタンダードと同様ですが、ヒストリックの場合禁止の前の段階としての「一時停止」という処置にての判断となったようです。
このまま動向を見て解除されるのか禁止されるのかの判断待ちとなります。
今回は触れられなかったパイオニア及びモダンフォーマットも含め、ヒストリックもその辺りのメタゲーム状況次第で再度決定がなされるものかと思います。
余談ではありますが、今回の禁止制限告知の予告が発表された際にこんなツイートをしていたのです。
あまりにも自分の予想が的中しすぎてびっくりしました。
スタンではいきなり禁止措置は取らずというのはルーカ及びウィノータの事ですね、オーコの時もそうでしたが新セットからのカードをいきなり禁止措置にするというのはそれ相応の事がないと(それ相応の事があっても46日間そのままだったオーコの実績からしても)ルーカとウィノータが禁止になるという事はないなと踏んでいました。
ただマナコスト踏み倒しとパーマネント奪取は問題だろうという予想でした。
相棒に関してはカード確定8枚目の手札という状況が相当よろしくなかったので、願いのフェイのような状況にすれば落ち着くのではと思い予想しました。
ホントこんなこともあるんですね。
相棒ルールに関してはエラッタとなるので全フォーマットにおいて新しいルールが適用となります、ヴィンテージにおいて通常ルールで禁止という前代未聞な顛末になった訳ですので致し方なかったと言えるでしょう。
それにしても「基本セット2020」からスタンダード期間中に禁止が3枚発生するのはいかがなものかと。
これはいずれも後から出たセットの不可抗力的な部分があったにせよ、今一度「基本セット」というものがどういったものなのか考慮頂ければと思います。
既に「基本セット2021」に関してはデザインも終わっているかと思いますのでこれに関しては間に合わないですが、この先基本セットからこのような事態が出ないことを願うばかりです。
ではまた。